FIT ’09: Session 4C

組み込み。
[ 多機能コンセントのスケジューリング機能による待機電力の削減 ]
多機能コンセント: PLC みたいなアイデアだけど、RFID タグをつかって通信する。
PLCと違うのは、家電に通信機能がついていて、コンセントと通信することが目的であって、コンセントについている制御ユニットどうしは Ethernet かなにかでつながっている。待機電力の削減とか、高齢者みまもりサービスとか、盗電防止とかが目的。
ラッチングリレー (切り替えの時だけぷちっと切れる) を使って電源を落とせる。多機能コンセントの消費電力は 0.7W.
ジリオン・ネットワークスという会社と組んでやっている。
質問 (山田さん): 周波数はどのくらいで動かしている? 数十メガヘルツで、ネットワークに対応するためにリアルタイム性が必要。
質問 (座長): ラッチングリレー使っているのに、0.7W はちょっと多いんじゃないかと思うんですが。PIC の動作周波数を下げるモードとかを使ったらどうか。
質問 (芝浦工大の先生): 待機電力のカットが目的であれば、常時動かしておくのではなくて間欠動作 (30分に一度起きるとか) にしたらどうかしら。通信のところの消費電力を評価に入れるべきではないかと思う。
質問 (わし): これ、電源の口ひとつについて一つ制御ユニットがあるの? まとめたほうがいいと思うんだが…
[ 長時間トレース技術を用いた組込みソフトウェア開発の効率向上に関する検討 ]
組み込みのデバッグはいろんな依存関係の問題 (タイミングとか) があって再現性が低く、大変。長時間トレースが取れれば、再現することなく解析をすることができる。
– ログが大きくなりすぎたら大変だから、データマイニングしよう。
– 外部記憶装置を使いたい。
– CPU に負荷をかけると、いろいろ状況がかわるので、よろしくない。
– 外部バスにデータを流して、外に logger をつなぐことにした。
「異常度」を数値化して、高負荷状態でもちゃんと記録できることを確認。
質問 (山田さん): 学習データを作るところが大変でない? なんかスクリプト一発で、一度やっちゃえば大丈夫だそうです。
[ 組込みシステムにおける通信のロバスト性向上に関する研究 ]
低コストのネットワークマイコンボードはいろいろな家電をネットワーク化するのに便利。でも、DoS とかには弱いよね。
今回は Ping flood を例にやってみた。
Echo request がきたときにアドレスを憶えておき、一定時間以内にもう一度来たら、それは捨てちゃう。
まー、家電はこれくらいでいいのかなあ… と思うが、どうなんでしょう。
[ 位置・姿勢制御可能な測域センサによる不整地移動ロボットの3次元環境計測 ]
アームの先に測域センサをつけて、ロボット周辺の正確な環境形状を取得する。
センサはレーザーレンジファインダ。北陽電気社 (URG-04LX )。最大 4m まで、100msec で一周ぐるっととれる。でも、一周ぐるっととるデータは 2次元だけなので、3次元に拡張する必要がある。そこで、これにモータをつけて、回転させながら使うのが一般的。
しかし、これでは深い溝などがあると、死角ができたりして、いまいちなので、アームに載せて動かすことで、前方斜め下方向もちゃんと見られたり、壁の向こうがわを見たり、階段の下側をのぞき込んだりできる。
階段の上り下りがちゃんと測定できることを確認。誤差評価とかもしており、下方向では5.5% 以下に収まっているので、走行可能であるかどうかを確認するには充分。
質問(さきほどの日立の方): 既存の手法と較べるとどれくらい改善したかという数字はある? 計ってはいないのだが、とりあえず目視ではうまくいけている感じ。
質問(座長): レーザが反射する・しないとかで、うまくいく・いかないというのはある? 表面が黒かったりするとよくない感じです。
質問(わし): アームをどうやって動かすかが鍵だと思いますが、なにかくふうは? いまは手動でやっているそうなので、これから考えるそうです。
これはすごくかっこいいぞ!!!!!!
[ 計測点群の補間に基づいたタイヤ空気圧モニタリングシステムの検討 ]
電源を使わずにタイヤ空気圧を監視するそうです。まじですか。
水晶振動子でやるのか。なるほどね。でも、温度補償とかが大変らしい。
圧力周波数・温度周波数・圧力値の3次元ベクトルをたくさん計測してB-splineで近似した保管係数を作り、圧力周波数と温度周波数から圧力を測れるようにする。ECU の小さいメモリでも計算できる手法を提案。浮動小数点演算も使わない。B-splineの基底関数は計算してテーブル引きにするが、そのままだと12kBもあるので、データの相似性 (対称性) を使って半分くらいに減らす。
質問(座長): 本文の 車載PC、ECU、マイコン の違いは? どれもECUのマイコンを指しています。
[ 音声認識の組込みシステム搭載での課題 ]
音声認識ソフト Julius を T-Engine に持って行ったらどうなるか、課題の整理と処理時間の比較。
Julius: オフラインではかなりの認識精度。PC でリアルタイム処理が可能。オープンソース。Unix で動くのや、Windows GUI などがある。IPAのプロジェクトで、奈良先端とかで作っている。
TRON はカーナビの 7 割くらいで、残りは VxWorks らしい。知らなかった…
– 処理能力とメモリの問題
– SH のコンパイラでは #pragma が使えない?
実行時間計るなら、プロファイリングくらいしてほしかった…

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