SGMJ Day 2 and 3

[ 原始的な真核藻類 Cyanophora paradoxa のフィコビリソームの解析 ]
おそらくもっとも原始的な真核藻類。
葉緑体の2枚の膜の間にペプチドグリカンを持つ。
形成のされかたもほかの生物の葉緑体とはだいぶ違う。
[ 植物内生細菌 Azospirillum sp. B510 のゲノム構造解析 ]
rrn のコピーがたくさん。9セット。
プラスミドにのみ存在しているものもある・・・必須遺伝子が主染色体にない、ということはあるのか?
E.coli の必須遺伝子 303 のうち、18遺伝子がプラスミドの配列にヒットした!!
複数の染色体様構造を持つケースはいくつかの proteobacteria でも報告されているが、6 つもあるのは珍しい。
[ 植物生息微生物の群衆構造に対する根粒共生系の影響 ]
過剰窒素施肥で根粒菌のバランスが変わる。なるほどー。
[ 改良型汎用 RIVET (Recombinant in vivo expression technology) による根粒菌共生遺伝子の新規検出 ]
根粒菌は根毛から感染。宿主特異性がある。
共生には効かないけど競合に効く遺伝子がある? ふうむ、おもしろいな。
[ 次世代シーケンサを用いた感染症のメタゲノミック診断 ]
患者さんからの臨床検体を直接シーケンスして診断する試み。
従来の細菌検査では培地や PCR プライマーをいろいろ用意しなければならなかったが、シーケンサを用いれば単一の手法で検査を行うことができる。ウイルスや寄生虫にも適用可能かもしれない。ただしインフルエンザなどの場合、RNA 抽出+ cDNA の作成、が必要。
[ タイリングアレイによるらい菌ゲノム全域の網羅的発現解析 ]
RNA 発現を RT-PCR で定量して、いくつかの偽遺伝子が転写されていることがわかった。
タイリングアレイはそれから。
60bp のプローブを 18bp 間隔。相補鎖分も作成。
治療前後の RNA 発現パターンを測定できると病態解析ができたりするかなー。
偽遺伝子がなんらかの役割をもっていて、選択圧に対する抵抗力になっている?
M.ulcerans もけっこう偽遺伝子があるので、偽遺伝子が残る、というのは Mycobacterium に特有だったりするのでは? (まだ検討されてないそうですが)
[SOLiD]
csfasta format というので配列がでてくる。2base encoding.
[ Structure evaluation using the consensus and quality assessment for protein modeling ]
構造予測コンテストの話。
[ BL-SOM ]
池村先生のところの発表。
生物種の推定だけではなくて、タンパク質機能推定にも使える?
SOM の specificity / sensitivity はどうやって評価するの? → たとえば COG を正解セットにして評価するとか。
[ Genome Matcher ]
大坪さん。
配列解析のところは BLAST と MUMmer.
多対多の dot-plot のやりかたは参考になるかも? でもお互いあんまりマネしない方がいいよね…
Excel2Fasta とか、GenBank2Excel とか、いけてる。
blastn とか tblastn のところを入れ替えるのはユーザができる?→プログラムなおさなあかん。
いろんなツールは pipeline にできる? → Excel に貼り付けてくりかえし。
[ 大量のオーソログデータを用いた微生物の系統推定 ]
着目する遺伝子をかえると、種の系統関係が変わってしまうことがある。
原核生物17門について新しい方法でオーソログデータセットを作成し、それをもとに系統関係を決定。新しい系統樹分岐点評価法を開発する。
MBGDから入手したオーソログセットから、アウトパラログ(種分化の前に起こった遺伝子重複によって生じた遺伝子群)を除去。それをもとに連結系統樹を作成し、連結系統樹のそれぞれの分岐点が、各オーソログ系統樹によってどれだけ支持されているかを計算する。

ゲノム微生物学会

去年僕が写真を撮りまくっていたからか (笑)、撮影しちゃだめよ、ということになっていたので、今年は文章だけ。
今日から中央大 @ 後楽園 でやってます。
初日の今日は、大学であれこれやってたので、夕方のポスターセッションから。
[ 海洋植物プランクトンに感染するウイルスのゲノム性状 ]
既知のウイルスファミリに属さないもの。
dsDNA, ssDNA, ssRNA (ds=double strand, ss=single strand) ウイルスを分離。
一本鎖で、一部にだけ二本鎖領域がある DNA とか。不思議ちゃん。
インテイン = 前駆体タンパク質から splice される、タンパク質版のイントロンみたいなもの。
partial double strand DNA というのはほかにもあるらしい。
宿主は藻類とからしい。
[ Acytostelium 属細胞性粘菌のゲノム・cDNA 解析 ]
D. discoidium A. Acytostelium
size 36M / 28M
AT contents 78.8% / 43.7%
Coverage 8x / 6x
Gene model 13,340 / 11,xxx
Acytostelium の遺伝子構造を確定して、おおよその発現情報を得たい。
cDNA を作ってアセンブルして、ゲノムに当てたら 3,451 個当たった。
[ ゲノム解析が明らかにしたシロアリ腸内原生生物細胞内共生細菌の空中窒素固定能 ]
木材には窒素がほとんどないから、それだけ食べても生きていけるわけがなくて、腸内細菌が空中の窒素を固定していることがわかった。1uL くらいの腸に、数千の原生生物と一億の腸内細菌。
原生生物は木片を食べている。
共生細菌は培養できないので、1細胞を取り出してきて DNA を増幅して配列読んだ。
窒素固定遺伝子をはじめとして、多くの遺伝子が Bacteroidales のものに似ている。水平伝搬?
木片を原生生物が分解して単糖をつくると、その一部を共生細菌がとりこんで、窒素代謝に使っている。すげーな。
[ 機能性メタゲノム解析により明らかにされた環境中の芳香環分解遺伝子の実態 ]
分解メガプラスミド (50kb 以上) があって(染色体に乗っていることもあるけど) 、分解遺伝子群はだいたいひとまとまりのオペロン構造になっている。
[ 環状DNA合成法およびcell-free cloning法 ]
微量の微生物 DNA 増幅の場合、コンタミネーションコントロールが問題で、既知配列じゃないとだめ。
byproduct = DNA プライマーを使うのが問題で、プライマーの single strand にくっついちゃう。
RNA プライマーを使えば、プライマー由来の byproduct がなくなる。
[ Pre-amplified inverse PCR を用いた環境試料からの新規エステラーゼ遺伝子の取得 ]
遺伝子の全長を復元する Inverse PCR は (たぶん self ligation の効率が悪いので) PCR よりたくさん試料が必要。
事前に対象のところだけ増幅したい。
終わったあとは、なかよしチームで東京ドームのあたりのレストランへ行き、アメリカンな感じの体に悪そうな揚げ物いろいろを食べてきました。
胃の薬飲んで寝るかなー。

こくみんのぎむ

確定申告書を作ったら追加納税せよ、とのことで、ようやく税務署いってきました。
お金なくなった。だって、月収の 1 割くらいですよこれ。
DSCN1692
まあ、しかし、国税を払うということは間接的に自分の大学に研究費を払うようなもの、と思って納得することにしました。違うか…

SM-CN79

ほほーう。シマノから
SM-CN79というのが出て、工具がなくてもチェーンがつなげるようになったそうだ。
これでチェーン切り携帯しなくてもいいかな、と思ったんだが、よく考えると、チェーンがだめになった場合は、そこのリンクを切らなきゃいけないわけだから、だめですね。ふつうのアンプルピンでいいや。

日東のハンドル

日東、という会社はいろいろありますが、自転車業界だと、ハンドルとかを作っているメーカーがとても有名。
で、Cyclingtime に、日東の作ってるハンドルいろいろ についての記事が出てた。すごい。
かくいう僕も日東のハンドルを一度使ってから離れられなくなりましたが、なかなか深いね。てか、これ書いてる人そうとうマニアだな (笑)。

網羅と枚挙

ゲノム微生物学会のページに、吉川寛先生の網羅と枚挙という記事が載っていた。非常に興味深い。
「人工物と異なり、自然には原子から宇宙まで網羅できるものなど存在し得ないから、網羅とは所詮相対的なものだと思われていた。ところがゲノムの解読が行われて、その常識的感覚が覆った。情報量が巨大だから、あまり気にかけていなかったのかもしれないが、ゲノムの塩基配列は、当たり前だが有限なのである。」
ゲノム解読というのは、生命現象を理解する上で登場人物のリストを明確にすることだと思う。もちろん、ゲノム配列のあちこちには未知の遺伝子という隠れキャラがたくさん潜んでいるんだけどね。
いまやラップトップのハードディスクにヒトゲノムすらも余裕で収まる時代。生物屋さんから計算機屋さん、制御屋さんまで含めてみんなでその分析に取り組んでる。だから面白い。

マッハ!!!!!!!

仏像を大量に盗んでいた奴がつかまったそうだ。
なんかの会社の偉い人だそうだが、なんでそんなことするかね?
まあ、まじめな話をしたかったのではなくて、
「マッハ!!!!!!!!」という映画を思い出した。CG なし、スタントなし、ワイヤーなしの、ものすごいアクション映画で、ストーリーはわりとどうでもいい感じだったが、いちおう盗まれた村の仏像を取り戻す、というのが目的になっていた。すげえかっこいいんだ。
DVD もってたんだけど、誰かに貸したままだな…