Nikon の COOLPIX 7600 というのを長いこと使ってきた。学生のときに買ったはずだから、もう5年くらいかな。いままでの撮影枚数は 1500 枚くらい。一方、5 年で回したフィルムは 100 本は下らないので、銀塩で撮っている写真のほうが圧倒的に多いことになる。携帯している時間はデジタルカメラのほうがずっと長いはずなのに。
で、理由を考えたのだけど、こんな感じ。
– 色とか解像度はそんなに悪くない (1/1.7 inch CCD だしね)
– 露出とかピントとか、いろいろなものがコントロールできない (これがでかい)
– レンズの歪曲がひどい
– レスポンスがいまいち
など。歪曲、というのは、普通の人は気にしないのかもしれないけれど、僕はずっと単焦点のレンズで写真を撮ってきたので、デジタルカメラに触るまでそんなものはほとんどなかったわけで、直線のものが直線に写らない、ということがものすごいストレスだった、というのは事実。むしろ、携帯電話の適当な固定焦点のカメラなんかのほうがまっすぐ写るわけで、多少ピントが甘くてもなんでも、そのほうが気持ちよく感じたりすることもあった。それに、いちおう露出補正の機能はあっても、メニューを開いてひろいろやらねばならず、気軽には使えなかった。
つまり、ポケットに入らない、ということを除けば、自分でピントをあわせて自分で露出を決める、手に馴染んだ古い機材のほうがずっと気軽に撮れるのだ。一枚ずつ丁寧に撮るのなら Nikomat とか FE2/FM2 があるし、大量に撮るような場面ではモータードライブを引っ張り出してきたり、F4 を使えばいい。だから、このデジタルカメラを出してくる場面、というのを考えてみると、
– デジタルじゃないと困る場合: すぐ論文に使うとか、学会でスライドをメモ代わりに撮るとき
– レーサージャージのポケットに突っ込んで自転車でどっかに行く場合
くらいだ。だからこれなら、普段散歩しながら撮るなら、フィルムでいい。
今回新しいのを買うにあたって条件としたのは、
– CCD が前のより小さくないこと
– 手ぶれ補正がついていること
– できれば RAW データが保存できる
– 露出補正がしやすい
– カバンに突っ込んでも不意に電源が入ったりしにくい
といったこと。画素数とかそんなのはどうでもよかったが、このへんの条件を満たすとなるとそこそこのものになる感じ。で、Nikon の COOLPIX P6000 というのにした。
GPS とか有線 LAN がついてるのはおまけ的な感じだが、上に挙げたポイント以外にも
– AF 測距エリアが選べる
– 露出補正はすごく簡単。シャッタースピードと絞りも選べる
– 歪曲収差のデジタル補正モードがある (かなり優秀)
– カスタムファンクションがたくさんあり、それを一発で呼び出す工夫がいろいろ
といった感じで、いろいろハイテクだが、かなり使いやすくて、いい感じ。
がりがり使います。でも 1300万画素もいりませんよ?
ちょっとでかいので、チャリでトレーニングに出るときに持って行くのは古いほうだな。まだまだこっちも使えるしね。