さよなら銀河

明日は JR のダイヤ改正。たくさんの夜行列車が消える。
「銀河」、大学院生の頃はずいぶん乗ったなあ。
九州に学会で行った帰りはいつも長崎から「あかつき」で大阪に出て、
大阪で一日過ごしてから「銀河」で東京に帰ったっけ。

東京駅の9番・10番ホームには「東海道線 横浜・小田原・熱海・大阪・下関・博多・熊本・長崎… 方面」という看板が懸かっていた、そんな頃。夕方になれば、長崎・佐世保行きの「さくら」を筆頭に、西へ向かう青い列車がたくさん見られた。
高校生の頃は、もうとっくになくなってしまった「ちくま」によく乗った。
当時は信州ワイド周遊券、というのがあって、それを使うと長野から「ちくま」で、木曽福島まで行けるので、ちょうどそこですれ違う長野行きに乗り換え。高校生や、大学に入りたての頃はまだ青い客車で、寝台車もつながっていた。いつしか電車になり、列車も周遊券もなくなった。
飛行機は便利だし、速いし、何より空を飛ぶことはワクワクするのだけれど、
列車が素敵なのは、いつもの駅から、いつもと違うところにいける、ということ。
いつもと違うところ、は、見知らぬ土地であったり、故郷であったりする。
駅の電光掲示板を流れてゆく、大切な街の名前を見送りながら、
列車に飛び乗りさえすれば、いつでもそこに帰れるのだから、
もうすこしここで頑張ろう、と思ってきた人は、僕だけじゃないと思う。
夜の山手線に揺られながら、
窓に映る自分の顔の向こうを、遙か九州へ旅立つ列車が駆け抜けてゆくのを眺める、
そんな光景は、もう見られない。
寂しいね。

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