今年二度目のアメリカ。
海岸のリゾートな感じの場所にあるカンファレンスの会場からダウンタウンのホテルまで、歩いて30分。昔大暴動が起きたロス近郊であり、ダウンタウンは、特に夜なんかは、それなりに怖い。怖い、というのは、結局のところ、アメリカの社会のさまざまな問題が顕在化した結果なのだ。それに比べれば、日本はまだマシだと思う。もちろん、日本も昔と違って、アメリカ化しつつある気がする。みんなでちゃんと考えていかないとね。で、結局、滞在中は、夜に会場から戻ってくるときも含めて、公共交通機関は使わなかったのだが (電車の切符は一度買ったのだが、全然こないのでついカッとなって、歩いて帰ってきてしまった)、安全を確保するために大事なのは「地元の人っぽく振る舞う」ことなんじゃないか、という話を、昼食のときにウィーンの大学の先生とた。地図をみてキョロキョロしたり、というのが、やっちゃいけないことの代表例だ。他民族国家だし、サングラスかけてヘッドフォンして歩いてれば、地球の反対側からやってきた奴だとは誰も思わない。
ま、いろんなことはあるが、この国の連中は基本的にみんな気のいい奴であり (ワシントンあたりの偉い人たちは違う気がする。これは日本でも同じだ)、僕は彼らが好きだ。彼らはたぶん、僕ら日本人と違って誰もが、おおらかに人生を楽しむ、ということを知っている。
ああ、この国の人たちっていいな、と思ったのは何年か前に UA の LAX 行きの便に乗った折、定刻より 45 分くらい早く着陸して、そのときに客席から一斉に拍手が起きたときだ。その頃はまだ、アメリカにはほとんどきたことがなくて、だから一人で街を歩いたこともなかった。だから、アメリカというと、なんかこう、犯罪に巻き込まれるイメージしかなくて、一歩引いたところから見ていたのだけれど、その時に僕のアメリカ像がだいぶ変わった気がする。日本人は飛行機がはやく着陸したからといって、拍手なんかしないけど、この人たちは素敵だな、と思ったのだ。
ただ、ここに住むか、といわれると、やっぱり日本とか、あるいは欧州の田舎とか、そういうところのほうがいいかなー、と思うのだが…