ETNET Day 2

[ Virtual HILS – システム全体仮想化による、組込みソフト検証の高効率化 – ]
自動車の電子制御システム。
ECUの数は1台あたり100+台… CANとかで連携したりしている。
OSを載せることができないケースが多い (オーバーヘッドとかの問題) ので、通信、割り込み、制御を全部書く必要がある。テストが大変!
電子的モックアップを使ってやっている。実機 ECU, 実機バイナリ。メカ系のリアルタイムシミュレータに AD/DA がついたりしている。システムがでかい。これを全部がっつり仮想化する。
任意のところで内部状態が観測できるし、ドメインをまたいだ可視化ができる。かっこいい。
HILS が1500万円、VHILSは2000万円 (75%がISSの費用だけど…)。VHILS は実行時間が3倍かかる。
インタフェイスが CAN に限られているのでモデル化はそれほど大変じゃなかった模様だが、アナログの線が入ったらどうしようかなあ、とのこと。
ISS を自作すれば安くなるんだけど、詳細な CPU モデルが手に入るかどうかが問題で、Synopsys とかはそのへんを CPU ベンダから出してもらってやっているとのこと。あるいは CPU ベンダが出している ISS にラッパを噛ませる方法もある、とか。このへんがいろいろ大変そう。
[ ネットワーク混在型Cell/B.E.クラスタにおけるHigh Performance Linpackの性能評価 ]
Roadrunner は Inifiniband だけど、ケーブルが 1万+円 / m.
GbE と 10GbE の混在で安上がりにしたいぜ。
Blade のシャーシ内が GbE でシャーシ間が 10GbE。まあ、機材的にちょっとしょうがない。10GbE のスループットが GbE の 1.2 倍しか出ないのは謎らしい (もっと出ると思うんだけどなあ…) ジャンボフレーム使ってない、とかかしら?
10GbE をどれくらい混ぜると性能にどう影響するか、みたいなのを測定。
HPL 以外のはこれからやりたいと思っている。あと、自動チューニングですね。
[ キャッシュインジェクションを用いた受信キューのキャッシュ制御方式の提案]
IBM Power Edge of Network (PowerEN) を使っている。
FCI, UCI (仮名)が実装されている。
16コア。4コアずつで 2MB L2 を共有。
Host Ether Accelerator からキャッシュインジェクションできる。
プリフェッチとキャッシュインジェクションの組み合わせを提案・実装。
かなり効きます。むー。こういうの重要かもなあ。
Intel- Direct Cache Access (DCA)
NICからのメモリ書き込みに合わせてプリフェッチ。NICも対応している必要アリ。
これちょっとサーベイしよう。
[テスト工数配分方法の評価手法と組込みソフトの派生開発プロジェクトへの適用]
改変母体の過去の不具合が多いモジュールは
1. 改変母体のソースコードが複雑
2. 改変母体の仕様を記録したドキュメントが残っていない
3. 人的な (笑) 要因
なので、それをもとにしたやつを作る場合は頑張ってテストする必要がある、と。
テスト件数というのは手法によっても変わってくるのでは? → 最低の件数を決めたい
最終的に出てくるのが経験とか傾向のような内的なものになっちゃいがちなんだけど、たとえば日立さんのグループ全体とかをみたら一般化できないか?
etc.
[文書診断法の診断観点と指摘水準におけるコーディング規約の分析]
作業工程の成果物を測りたい。文書診断法。
コーディング規則を用いてプログラムの品質を評価できないかな、というお話。
機械処理ではない。
プログラミング教育に倣い、開発文書の書き方教育を整備。
システム開発文書品質研究会 ASDoQ を立ち上げ。
[テストプログラム生成ツールのフロントエンドプロセッサの開発]
きのうの RTOS の発表に関連した発表。
コード生成と前処理を切り離して、システムが変わっても簡単に対応できるようにする。あるいは担当者間でのばらつきを改称できる。
コード生成ツールが正しいコードを吐いているかのテストはどうするの?→テストケースの分だけはテストが必要です。
[Windowsヒューマノイド・ロボット・コントローラALICEの通信速度評価]
すみません、昼食から戻ってくるのが遅くなりました…
[MCAPIを用いた組込み向け耐故障分散共有メモリの実装]
SCASH なつかしい。
SCASH-FT (耐故障) を作ってる。
組み込み用のネットワークの PEARL (PCI Express Adaptive Link) に移植したい。既に MCAPI (Multicore Communication API) というプロトコルがその上で動いている。
[ユーザ空間の例外処理情報を利用した組み込みシステム向け例外処理実装方式の検討]
複雑なシステムになると watchdog timer による再起動はさすがにダメ。
try と catch みたいなのってお手軽にきっちりした例外処理を実装できる訳で、いいよね、というお話。ただ、いろんな言語が出てきちゃってるので統合するのはムズカシイよね…
[ 単一磁束量子論理回路のためのタイミング故障のモデル化とテスト手法の検討 ]
SFQ 回路。4K くらいで使うんだが、冷やす電気代を考えても消費電力的にお得って、すごいな。クロックツリー合成・自動配線・設計検証などの研究は行われている。今回は故障テスト。
信号伝達にはクロックとデータを同時にえいやっと送る模様。データのパルスとクロックの間のタイミングがあわないと誤動作。
浮動小数点演算器の設計例がでてた。遅延調整の素子がたくさん必要だとのこと。
クロックがデータよりも先に到着する(concurrent flow)とデータがクロックよりも先に到着する (clock follow data) がある。これふつうの半導体とはだいぶ様子が異なる印象。
[ 高速リアルタイムデータ収集用ネットワークレコーダの開発 ]
Virtex-5 FX + 6x10GbE + PCIe x16 + 2xDRAM 128MB + 8xSATA (SSD)
URL フィルタ (hash + binary search) とかを実装して記録したりすることができる。60Gbps で有害サイトフィルタとか :p
ハイスループットな実験の生データ記録とかにいいよね。
[ AFMを用いたネットワーク障害検知方法の検討 ]
drc/dst IP address, port, protocol とかをつかってフローを観測すると多次元解析で異常がわかるんじゃないか的発表。いや、気持ちはわかるけどそれリアルタイムにできるのか…
質問してみたところ、いちおう 10Gbps でも動いているのだそうです。
アイデアは面白いな。だが後出しジャンケンにならない(リアルタイムで検出ができるような)実装はムズカシイかもしれん。
[ 全画面やフレームレートという概念を排除した新しい表示方式の提案 ]
これちょっと面白い。うまく標準化できれば用途も開けそうだけど、どうなんかね。
FPGA のってるけど基本的には LVDS のインタフェイスとして使っていて、だいたいの処理は SH でやってるみたいだ。実装そのものよりプロトコルが問題のような。

「ETNET Day 2」への1件のフィードバック

  1. 以前、車屋さんとプロセッサ屋さんの話を横で聞いてたときのこと。
    プ:エンジン制御のプロセッサ遅いよね、キャッシュもないし。
    車:キャッシュが入ると制御時間が(人間に)予測不能になるので入れたくありません。クロックアップは最悪、CPU自体をオイルの中にぶち込んで油冷すればいいので問題ありません。
    プ:ていうかコンパイル環境とかも古いよね。コンパイラ新しくすればそれだけで高速化もしそうなのに。
    車:コンパイラを変えたら潜在的なバグが発現するかもしれないので変えたくありません。
    車のエンジン制御系は大変だなあと思いました。
    マルチメディア系は別だけど…。

コメントを残す