梅雨が明けて、ツール・ド・フランスが終わって、
それで、分杭峠を登ると、僕の夏がやってくる。
今年は152号線の土砂崩落で中央構造線サイクリング大会がなくなっちゃったので、個人的に走りに行くことにした。
金曜の一時限目の試験監督が終わって、吉祥寺駅前で自転車を袋につめて新宿へ。12時の「スーパーあずさ」に飛び乗って茅野へ向かう。
今日は、いつもの中央線が、僕を信州に連れて行ってくれて、
そして、いつもの自転車が、僕をあの街に乗せていってくれる。
乗せていってくれるだけで、必死に漕ぐのは僕だけれど (笑)、
そんな日常の延長の向こう側にある素敵な一日。
スーパーあずさは本当に速くて、
あっという間に吉祥寺を通りすぎ、八王子に停まると、次は甲府、小淵沢、茅野。
中央線大好き派としては、速すぎてもったいないような気もするけど、自転車に乗れる時間が伸びることはとてもありがたい。
茅野駅には14時6分に到着。いつものタクシー乗り場のベンチで、いつものように自転車を組み立てて、いつものように飲み物を準備して、出発。20号線を渡って、中央自動車道をくぐれば、152号線はすぐに杖突峠の入り口の、安国寺の信号にたどり着く。
そういえば、小学校の頃に解いた国語の問題集にあった長文読解の問題に、こういう文章があった。
中央線の××駅を出たバスはどんどん標高を上げてゆき、その車内から見る風景は、離陸する飛行機から見る景色のようだ。
どうもその駅は上諏訪だったような気もするのだけれど、茅野から杖突峠方面のほうがふさわしいような気もする。今となっては思い出せないのだけれど、飛行機なんて乗ったこともなかったし、その土地に行ったこともない僕には、いろいろと想像をかき立てられる文章だった。
それで、話がそれたけれど、杖突峠というのはまさにそれだ、と思う。
杖突峠や有賀峠といった、このあたりの峠は諏訪側の勾配が強烈で、伊那側はそれほどでもないのだけれど、杖突峠は 7%〜9% くらいだろうか。登りはじめてちょっとして振り返ると、ものすごい景色。峠の茶屋から見た八ヶ岳が、すごかった。
自転車の登りの魅力というのは、これですよ、これ。
それで、安国寺の信号から峠の茶屋まで33分だった。リュック背負って走るペースとしてはまあまあかな。いまのところ調子いい。高遠市街までずっと 40〜50km/h で一気に下って、ヤマザキストアーのおばちゃんとちょっと立ち話して、361号から竜東線に抜ける。
361号線を下っている途中で自転車の距離計が 9,000km になった。あとちょっとで10,000km だよなあ。がんばろう。
竜東線に入った瞬間に脚に違和感があって、ああ、こりゃやっちまったなあ、という感じ。おそらく水分と糖分の不足で、かなりキている。軽い登りで脚が痙攣しはじめたりして、ストレッチしたり。火山峠を越えようかどうしようか迷いながら、休憩を繰り返して、なんとか越える。火山峠は北側が緩くて南側がきつい。逆だったら脚が終わってたな、と思いながら、ばびゅーんと下っていくと… 本格的に脚つりました。
それで、冷たいものを飲んで体温下げなきゃ、と思って自動販売機のところで停まったものの、脚が痛くて自転車をまたげないから、そのまま動けないという情けない状態。そういうのが2回あって、やっとの思いで吉瀬までたどり着いて、日曽利橋へ。日曽利から飯島までの間にも2度ほど脚が攣った。普段なら7分ほどで登れる区間だから、かなりひどい状態だったのだと思う。夕立に降られながらもなんとか駅までたどり着いて、ヤナギヤさんでアイスコーヒーをいただいて、ひと休み。
宿にチェックインして、お風呂で冷たいシャワーを浴びて筋肉を冷やし、しっかりストレッチしてから飯島食堂でごはん。荷物を片付けて寝る。
そういうわけで、杖突峠ではしゃぎすぎたのが反省点 (笑)。