甲斐大和の駅で電車を降りて、20号線を西へ。韮崎から県道17号に入り、小淵沢から富士見高原へ上がる… はずだった。
電車を降りて自転車を組み立てる。午後1時。
登山に行くらしいご夫婦に、どちらへ、と聞かれる。
これから八ヶ岳を上ります、というと、いいねー、がんばって、とのお言葉。
自転車旅は、こういう言葉のひとつひとつが、力になる。
甲府市街へ向けて、国道20号を快調にとばす。甲府盆地の入り口で、ずっと下り。
52×12 をずっと踏み続けて、メーターの平均時速が 40km/h を指す。
盆地に入ってからも、竜王駅あたりまでは平地。バイパスは信号も少なく、35〜45km/h で快調。途中で、トレーニング中の地元サイクリストと出会い、しばらく前を引いたりする。調子はよいと感じていたが、このとき既に左ふくらはぎに違和感があったのは事実。
甲府市街を抜けて韮崎に向かう 20 号線の風景は美しい。
並走したワゴン車の助手席のおばちゃんに「がんばってねー」と声をかけられたり、
信号待ちで停まった、ショッピングモールの駐車場の警備員さんに応援されたりして、
韮崎まではまあまあの調子。途中一度、変速ミスでチェーンが外れたけど。
韮崎から県道6号、すぐに17号に変わる。
脚の違和感はますます大きくなっており、こりゃ攣るかもな、と思うが、
体温が上がっているわけでも、脱水気味なわけでもないし、
これまでほとんどマジメに踏んでいないのだから、筋肉が疲れているわけでもない。
とりあえずカリウム補給しとくか、と、野菜ジュースを飲んで再出発。
17号は起伏が少ない、と聞いていたのだけれど、いきなりループで、びびる。
ま、見た目ほどの勾配でもなく、むしろ楽しかった。
ループは、3年くらい前の天城ぐるぐる以来だ。
もちろん、最終的には富士見峠の上まで行くわけだから、全体としては登り基調だけれど、それほどきつい坂があるわけでもなく、39×25 くらいあれば余裕な感じ。調子がよければ 23 でも行けそう。だけど、今日はなぜか 27 でもしんどい。
そんなわけで、ところどころ休む。
南アルプスを眺めたり。
全般的に舗装もよく、走りやすい。
しかし、いっこうに調子はよくならず、長坂あたりでかなりきつくなり、小淵沢町に入ってからはかなり絶望的な感じ。
でも、長坂駅のあたりから見た八ヶ岳はきれいだった。
なんとか17時頃に小淵沢駅前を通りすぎ、高速のインターチェンジの前を通って、八ヶ岳南麓の登りにかかる。八ヶ岳高原道路は交通量も多く、路肩の路面状況はかなり悪くてきつかったが、裏道に抜けてからは意外と調子が戻ってきて、行けるかな、と思い始めた。
しかし、17:30、485 号線の半分くらいのところで左太腿が攣る。ふくらはぎを庇いながら走ってきたので、いつの間にかそっちはよくなっていたのだけど。
しばらく動けなかったが、膝が曲がるようになると案外ダメージは少なくて、また上るものの、結局 17:45 頃、日没を前にして両親の車に回収される。あと 7km くらいだった。面目ない。
あとから振り返ってみると、そうとう体調が悪かった (というか、過労だったっぽい) 走っても全然おなかが空かないとか、明らかに水分の吸収能力が落ちているとか、そういう感じだった。
いつでもいくらでも走れるぜー、という感じで長いこと生きてきたのだけれど、体力が落ちたのか、それとも最近の仕事の量が異常なのか…