[ オーバーレイネットワークにおける経路重複を利用した計測手法 ]
Overlay network = Skype とか BitTorrent とか、IP ネットワーク上に構築された論理的なネットワーク。ふつうはエンドポイントに実装するが、ルータ上に実装するルータオーバーレイネットワークを提案。ルータに実装するので効率的なオーバーレイトラフィックの制御ができる。
バンド幅測定の手法はどうかんがえている? (田中先生) → 今回は計測戦略についてなので、具体的にはあまり考えていない → パスを短く区切って測定すると、end-to-end で測定するのに比べて誤差がたまりそうですが → 関連研究で、それでも 80% くらいは信頼できる、というデータが出ている。
[ P2P ファイル共有システムにおけるクエリトレンドパターンの分析 ]
P2P なファイル共有システムでは LRU とかで peer の保持するキャッシュが管理されるが、いわゆる「急上昇キーワード」があるので、実際にはキャッシュの生存期間に行く前にみんなが冷めちゃって、キャッシュは無駄になることが多い。
P2P のサービスをクロールしてキーワードを収集。Winny は peer の回線速度によって階層化されるため、速いネットワークにつながっているpeer (回線速度は自己申告) にクエリが集中するので、そこでデータ収集を行った。1ヶ月計測で、ちゃんとべき乗則に従った結果になった。
クエリの推移パターンを FFT で処理し、クエリの類似度を計算。Ward法でクラスタリング。
これ面白いな。
キャッシュの生存期間を決めるには、クエリが減ってからでは遅くて、予測をせねばならないと思うのですが → 今後の課題ということでした。
いろいろなパターンをみせていただいたが、正規化する前の生の値が見てみたいです。急激に増えて急激に落ちるようなのは実際に人気があるのか、とか。→ 3割くらいがそういうキーワードでした。
[ 複数のオーバレイネットワークにおける残余通信時間を考慮した強調ルーティング ]
オーバーレイネットワークの利点: ふつうの IP ルーティングによるのではなく、自前で経路をもてるので自由度が高い。でも、こういうのが増えると、帯域を食い合ったりする。
既存の協調ルーティングでは、新規トラフィックが既存のトラフィックのバンド幅をどれくらい奪うかを計算し、全体としてなるべく影響が小さくなるようにする (全体を見回してやるのは無理なので、ノードごと)。でも、与える影響の持続時間を考慮していない。ファイル転送を例に、タスク完了に必要な残余時間を考慮した協調ルーティング手法を提案・評価。
もともと転送時間がわかっている前提のように見えるが? → まあ、ふつうの、すでに送った割合で計算で、必ずしも正確でなくてもいいので。
[ ノード性能を考慮した非対称 DHT の提案 ]
DHT = Distributed Hash Table: P2P な overlaid network を使ったデータ構造。
すべてのノードが全体のルーティングテーブルを所持する (対称的)。でもこれはルーティングテーブルの維持が大変。
非対称 DHT では、バンド幅や計算能力などノードの性能に応じて高性能・低性能に分ける。高性能ノードは全体のルーティングテーブルを、低性能ノードは規定数の高性能ノードが見つかるまでルーティングテーブルを拡大。
低性能ノードのルーティングテーブルが小さければ通信量はけっこう減るが、データの取得に失敗する確率が高くなる。でも、挙動の説明できないところも・・・
[ 分散データベースにおける透過的データ利用環境の実現 ]
高知工科大の人類学のプロジェクトで作っている分散 DB の話。かっこいい。実際に使うものを作る、というのはいいね。
[ 定額制 VOD 型 IP 放送におけるユーザ便益と事業者収益に基づく視聴料金設定 ]
ちゃんとユーザ便益と事業者収益について、ゲーム理論をやっている。いいね。
事業者が利益を追求しすぎるとユーザが離れていっちゃうわけで。