JAXA の計算科学シンポジウム。
別に、biology を辞める、とかそういうわけではないんですが、
流体方面の方から共同研究のお話をいただいたので参加してみました。
CFD はぜんぜんやったことがないのですが・・・
[宇宙開発・宇宙科学における数値シミュレーションの利用]
– 構造解析
– 混相流
– ロバスト最適化
など。Robust な解を探すのはどこでも重要だな…
流体でもキャビテーションがあったりとか、液滴を含む燃焼系とか。
シミュレーションの信頼性はどうか?精度は?といったところが問題。
航空機体周りに関してはかなりいろいろ進んでいるが、宇宙ではそうもいかない。
流体以外のシミュレーション技術の innovation が必要。
エンジン解析・プルーム音響解析(衛星へのダメージなど)・プラズマ系解析(衛星の帯電など)、など。
宇宙では Euler ではだめで、粘性・剥離をちゃんと考えないとダメ。
直交格子だけで計算すると精度的にしんどい場合もあるので、物体近くでは補助格子を使うとか。
火星の大気密度は地球の 1/100 、音速は 2/3 。
速度をあげるとあっという間に遷音速になっちゃうので、揚力を稼ぐのはけっこう大変。
そんなシミュレーションもあるんだな。
[航空機開発のためのCFDの現状と課題]
A380 とか B787 とか、どんどん大きくなるのでとても大変そう。
大型機も小型機も開発競争。
最近の航空機の設計でいちばんしんどいのは遷音速 (transonic) な部分の計算が入ったこと。
いままでは要素設計をやっていたが、これからは全機設計する時代だぜ。
ツールはそろってきているが、精度はどうなのか?
macro な最適化はけっこう大変。勾配法は速いけど local minimum に落ちてしまいがち。GA 使ったりする人もいる。設計最適化をやる場合は、形状定義とかが難しい・・・人工生命を使ったデザイン最適化とか、できるかも!?
micro な最適化も重要。実験だと難しくて、CFD を使うことで幸せになれる可能性も。
機体がでっかいと、micro な最適化を全体に適用したときの効果は大きい。
欧州は Airbus を中心にして産官学の連携がうまくいっているっぽい。
[革新的計算科学技術への展望]
設計最適化で、いろんな要素を最適化する方法が必要(MDO: 多目的最適化?)。
SOM (自己組織化マップ) なんかを使ってやるわけですよ。
計測融合シミュレーション。
航空機で生データを測定して、晴天乱気流のシミュレーションとか。
[Supercomputing History]
小柳先生。
日本製の supercomputer が top500 に占める割合がどんどん下がっている、と大変お嘆きでした。
中国 (Lenovo) とかも supercomputer を作る気らしいぞ。
日本も頑張らないとな。
ANSS’06
[宇宙開発・宇宙科学における数値シミュレーションの利用]混相流・軸振動・燃焼・破壊などのモデリング・シミュレーション。 シミュレーションの信頼性はどうか?