Design Gaia 2010, Day 1

[LSI配線の課題と光配線]
広島大学の横山先生。
計算はエネルギーを消費するか?
– 可逆演算ならかからない
– 不可逆なら、不要なデータを消去するためのエネルギーが必要
という議論あり。
これだけだとほとんど電気食わないはずだが、実際にはその百億倍とかの電力を食ってる。根本的な原因は直流電源からパルス列を作っていること。これは抵抗を小さくしても応答が速くなるだけで、消費電力は変わらない。
じゃあ交流電源にすればいいかな。on/off だと効率は悪いままだから位相変調すればいい。でも、回路は大きくなるし、高周波になれば電磁波輻射が起きてロスが増える。そもそも効率のよい高周波電源を作るのは難しい。
光なら簡単に変復調も位相差検波もできる。光導波路を作ってやればロスもおきない。
ロジックが 1/3 でクロックとバスの消費電力が 2/3 くらいになるなら、後者を光配線しちゃえばいいのでは?
長距離配線では RC 線路だけだとしんどいのでリピータを入れて波形のナマリをなおしてやる。遅延時間は改善するが電力や面積で不利。伝送線路を使うとCで蓄えたエネルギは再利用できるが、最後の終端抵抗が全部消費しちゃうのでもったいない。
クロック分配用の、伝送線路を用いた定在波発振法というのがある。伝送線路を終端しないで反射させ、発振させる。おもしれー!!! 問題は電磁波輻射。伝送線路は速いんだけど、表皮効果の問題で、微細化すると抵抗が増える。円断面の導波管にすりゃいいんだけど、LSI に使えるように細くすると周波数が光になっちゃう。
光配線もシリコンプロセスで作れるっぽい。四角いやつ。
光配線の特徴
– 広帯域
– 非干渉性 (交差可能)・WDM
– CR がない
– インピーダンスマッチングいらない
など。問題はデバイス技術。
モノリシック光配線 LSI を作っている。
p/n 型光変調器と光プール。光プールにたくさんの p/n 光変調器を向けて、光プールを通じて波長多重通信する。
[LSIチップ光配線開発の現状と課題]
MIRAI-Selete の大橋さん。
1cm 以上だと差動伝送線路 (やっぱりリピータが必要) より光配線のほうがいい。
Serdes で多重化して高速シリアル伝送だと、serdes の消費電力が 200mW とかになるけど、WDM なら受動デバイスだから 0mW !
エレクトロニクスと同じくらいの値段で素子が作れるかとか、結合したところで光の強度が半分になっちゃうとかそういう問題もあり。
オンチップの IP コア間の接続とか。アービトレーションも光でやるといっている人もいるけど、そこは電気のほうが (コスト的に) いいかな、とか。ただしその場合は遅延とかのペナルティがあるので、もうちょっと詰めないと。(というか、こういうのって作ってみないとわかんないのかなあ、と思ったり)
[光配線技術の研究動向と将来展望]
日立の菅原さん。
光トランシーバ (SFPとかの、標準化されたやつ) は7年で1桁小型・省電力化。値段は2桁くらい落ちてる。
Si 変調器とか、CMOS-Ge 集積受信器などが熱い。
40GbE, 100GbE では 10m までが 10Gbps のメタルの束。100m までは MMF (multi-mode fiber) 、それ以上は SMF.
オンチップな話としては、シリコンを直接光らせる、とか。でもこれはちょっと大変そう。
ネットワークとか、バックプレーンとかで使う系のお話が中心。ま、現状で光配線というとそっちのほうが現実的だな。
[半導体製品のESD現象とESD設計技術]
ルネサスの石塚さん。
ESD の研究者は日本にはあんまりいないらしい…
デバイスレベル: 未実装部品の pin to pin や、基板組立時の部品 to 基板 (デバイス破壊が問題)。
システムレベル: モジュールや製品 to 人体など。デバイス破壊だけでなく、誤動作も問題に。
ESDのアレはパッドの下に全部入れるの?
45nm で 30x180um とかのが全部のパッドの下に入る。これはI/Oインタフェイスも含んでいて、ESD対策の部分は 1/3 くらい?

コメントを残す