研究者と政策

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最近読んだ blog の記事に、先輩が twitter で紹介していた 根無し草的な科学行政政策ジャパン というのと、僕の中学時代の後輩で、いまアメリカに留学している 「赤ひげ神話」と日本の頭痛 というのがある。

前者は僕ら研究者に関する話、後者は企業の技術者なんかも含めた話だ。
僕も、日本の科学技術政策に関しても、企業の理系人材の使い方に関しても両方問題があると思っている。最近忙しくて、まじめな文章を全然書いていないのだけれど、ちょうどいい機会なので書くことにしよう。

ひとつは、政府の人たちなんかの見解に見え隠れする、「研究者や大学の教員というのは放っておくとサボる連中だったり、役に立たないことに時間と金をつぎ込む連中」という考えだ。これは、大学や国立研究機関の任期制導入と、競争的研究資金の比率拡大、という2つの点で露わになるのだけれど、最近はそれがあまりにも極端だと思う。これらの2つのやりかたが求めるものはなにかというと、つまり、「すぐに成果が目に見える研究」であり、腰を据えて10年後、や50年後の世界を変えようとするような、いわゆる「プロジェクトX」的な研究とは逆であり、長期的な視野に立った戦略としては難しい (つまり、企業も国も、そこまで切羽詰まっている、ということなのかもしれないが)。本来僕は、企業がすぐに目に見えることをやって、大学や国はそうじゃないことをやればいい、と思っているのだけれど、残念ながらそうはなっていないようだ。

僕も、任期付きの研究員だったり教員だったりして、幸いにして上司と環境には恵まれたおかげで研究成果はぼちぼち出ているものの、常に次のポストを探し続けなければいけないわけで、長期的なビジョンとか、そういうものを考える余裕がないな、と思う。30代というのは一番研究者として大事な時期だから、安定した環境でしっかり研究に取り組めるようなところがあるとよいのだけれど、なかなか難しい。最近よくいわれる「ものづくり」、という言葉は僕はあまり好きではないのだけれど、この国は狭くて農業輸出では当然食べていけないし、石油が出てくる訳でもないし、だから、優秀な人材を輩出することがすべてだと思うのだけれど、なんか、あんまりうまくいっていないんじゃないだろうか。

もうひとつは、メーカーなんかの理系の人材に対する「やりがい搾取」が激しい、ということだ。よく、「大学院に行った方が年収がいいですよ」とか、そういう話をする人が (大学の先生にも) いるのだけれど、少なくとも僕の身の回りではそうではない。別に妬むわけでもなんでもないけれど、同じ大学の文系の学部を卒業した同期で優秀な奴はすでに年間1000万くらいもらっていて、理工学部で修士や博士に進んだ僕らはその半分くらいのところをうろうろしている感じ。このご時世、生活できるから文句はいえないけれど、同じ会社で生産に直結するところにいる理工系の人と、経営のことを考えている人の給与の関係というのを考えると、何か間違っているのではないか、と思う。

政府のみなさん、経営者のみなさん、必死で人材をつなぎとめることを考えないと、
国も会社も、優秀な人材を喪っちゃいますよ。

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This page contains a single entry by Yasunori Osana published on October 3, 2009 2:22 PM.

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